シャツに残っていた香り

祖母が好きだった花の一つ

どちらかと言えば、鼻が敏感な私です。
この嗅覚は祖母ゆずり。

シャツにわずかに残っていた芳香は
お線香の香りでした。

ここ数日、祖母と一緒に過ごしていたので、
香りがシャツに染み込んだようです。

これだけ一緒にすぐ横で時間を過ごせたのは
私が子どものとき以来でした。

100歳を越える長い生涯を閉じました。
太宰治とさほど変わらない生まれ年です。

ガンをはじめ何度か大きな病気や手術を経験。
とても100歳を越えるなんて想像できませんでした。

80歳くらいからでしょうか。
不思議とドンドン若返っていくような祖母でした。

冗談のセンスが良かったり、オシャレを気にしたり。
確かに同世代の人達より少しだけ若かったと思います。

100歳のお正月に「長生きの秘訣は?」と聞かれていた祖母。
返事は「あそんでりゃ、いいんだよ」でした。

働いたり、勉強したり、
やらなければいけないことは誰にでもたくさんあります。

それも、もちろん大事です。
同じように少しの時間でもいいので、遊ぶ時間も大切にしていきたいものです。

少なくとも長く幸せな人生には近づけますから。

清水

P.S.
香りが自然に消えるまで、シャツは洗濯しないでおきます。

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