誰が決めたんですか?


清水です。

田村正和さんが亡くなられてから、
少し時間が経ちました。

私も大好きな俳優さんでした。

記憶に残っている作品はたくさんあります。
ローマの休日とか、子連れ狼とか。

ふと思い出したのが、
古畑任三郎で津川雅彦さんが出演されていた回です。
津川さんは2回出演されていますが、古畑さんと同級生役の回です。

津川さんが自殺をしようとしたところに、
それを予測していた田村正和さんが現れるシーンです。

こんなセリフです。

田村正和さん
お察しします。

津川雅彦さん
ありがとう。

田村正和さん
しかし、しかし、あなたは死ぬべきではない。
たとえ全てを失ったとしても、われわれは生き続けるべきです。

私はこれまで、強制的に死を選ばされてきた死体を数多く見てきました。
彼らの無念な顔は忘れることはできません。

彼らのためにも、われわれは生きなければならない、
それが、われわれ生きている人間の、義務です。

津川雅彦さん
死ぬより辛い日々が待っているんだ。

田村正和さん
だとしてでもです。

津川雅彦さん
すべてを失うことは耐えられない。

田村正和さん
また1からやり直せばいいじゃないですか。

津川雅彦さん
俺たちはいくつになったと思っているんだ。
もう振り出しには戻れない。

田村正和さん
とんでもない。まだ始まったばかりです。
いくらでもやり直せます。

よろしいですか、よろしいですか。
たとえ、たとえですね、
明日、死ぬとしても・・・

やり直しちゃいけないって、誰が決めたんですか、
誰が決めたんですか。

まだまだ、これからです。

〜 古畑任三郎 第3シーズン 第32回「再会」より 〜

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